京菓子図会「昔の和菓子」




拡大写真
「鮎」は「魚」へんに「占」うと書きますが、その名のとおり、昔はこの魚を占いに用いたそうです。年魚とも書き、1年しか寿命のないこの魚は、その姿の美しさ、生命の潔さから、古来千年以上も前から日本人に愛され、親しまれてきました。

この版画は「のぼり鮎」と、大変縁起がよいものです。一般に立身出世の関門を「登竜門」といいますが、これは、中国の黄河中流の急流「竜門」を登った鯉は竜になるという、『後漢書』李膺伝の伝説からきています。「のぼり鯉」ではなく、「のぼり鮎」、短い哀れな命の一瞬をきらめかせる強い生命力を感じます。

何度も何度も急流に流されながらも諦めずにのぼり続ける鮎にあやかって、出世を祝うにふさわしい菓子でもあります。
右向附 落雁
左向附 練切
前盛 羊羹

この木版画は、当店に古くから残る
和菓子の見本帳よりピックアップしたものです。
鮎にちなんだ御菓子・・・「若鮎」  干菓子「鮎」(和三盆)  干菓子「あゆ(干錦玉)

[「昔の和菓子」見本帳のトップページに戻る]

制作・著作権 甘春堂 1999.11-2004
当社のホームページ・記事等を無断に転載・コピー・転用することを禁じます。
お問い合わせはこちら。

[甘春堂の和菓子を見る] [甘春堂・店舗紹介へ] [京のお干菓子コレクション]