銘菓

大仏餅

「大仏餅」が出来た頃の製法にこだわり、材料には品質の良いもち米を使い、杵と石臼で職人が柔らかについた餅の中に、当家謹製の餡を包み上げ、『京大佛』の焼き印を押した、風味ある餅菓子です。

京都の大仏餅は往時から、諸国に知れ渡る洛東名物です。その始まりは、文禄4年(1595年)太閤秀吉の命により造立された京の大仏、盧舎那大仏が安置されていた「方広寺」門前の老舗が自慢の餅を売り出したのが始まりです。1780年(安永9年)・江戸時代後期に刊行された京都に関する地誌「都名所図会」には、「大仏餅の濫觴(らんしょう)は、すなはち方広寺大仏建立の時よりこの銘を蒙り、売り弘めける。その味、美にして煎(に)るに蕩(とろ)けず、炙(あぶ)るに芳(かんばしう)して、陸放翁(りくほうおう)が炊餅、東坡(とうば)が湯餅にもおとらざる名品なり(大仏餅は方広寺の大仏殿建立のときにはじまり、味よく、煮てもとけず、あぶると香ばしく、唐・もろこし(中国)の絶品にも負けない)」とありました。また、南総里見八犬伝で有名な、滝沢馬琴は、京・大坂を旅した際の旅行記「羇旅漫録(きりょまんろく)」に、京の大仏餅についてこのように記しています。
「江戸の羽二重餅に似て餡をうちにつつめり。味ひ甚だ佳なり」。

甘春堂の大仏餅は当時と同じ製法にこだわり、材料に品質の良いもち米を使い、杵と石臼にて職人が丁寧につき、『京大佛』の焼き印を押した昔ながらの餅菓子となっております。また、京の童歌「京の 京の 大仏つぁんは 天火で焼けてな、ありゃドンドンドン こりゃドンドンドン」を模して、一文字の天火にて裏を焼き上げたお餅の中に、「甘春堂」謹製の餡を包み、「京大佛」の焼き印を押した餅菓子です。

PAGE TOP